手足口病

山口県感染症情報センター / 2011.3作成
2012.10更新

手足口病とは

 主にコクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型の他、 コクサッキーウイルスA10型など種々のエンテロウイルスによる感染症で, 手掌、足底、口腔粘膜などに水疱が出現します。夏季に流行がみられます。
 潜伏期は3〜5日です。
 主に1〜3歳で発症します。

山口県内の発生動向について

 2001年から2011年の定点当たり累積報告数の比較です。 2011年は他の年と比較してもかなり報告数が多くみられました。 また、下記のグラフから、報告数が多い年と少ない年との間では明確な差があることが分かります。
 報告数の多い年のピークは 2001年-28週、 2003年-30週、 2005年-28週、 2010年-27週、 2011年-27週 と7月から8月上旬の間にあります。 また、2012年は報告数が少なく、流行はみられませんでした。

症状

 手掌、足底、口腔粘膜などに水疱が出現します。時に肘、膝、臀部などに出現することもあります。水疱は3日から10日で自然消退し痂皮を形成しません。 基本的には予後良好の疾患ですが、稀に中枢神経系合併症(髄膜炎や脳炎)などを生じることがあり、 発熱(高熱又は2日以上の発熱など)、嘔吐、頭痛などがある場合は注意が必要です。 また、原因病原ウイルスの1つであるエンテロウイルス71型も中枢神経系合併症の発生率が高いことが知られているので、 本ウイルスが多く検出されている時も注意を要します。

治療

 特別な治療を要しないことがほとんどです。 口腔内病変に対しては刺激になる食事を避け、水分不足にならないように気をつけることが大切です。

予防

 鼻咽頭分泌物や便中などにウイルスが存在し、飛沫感染(咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染)、 接触感染(汚染された手指や物品を介した感染)、 糞口感染(糞便中に排泄されたウイルスが、手、食物、水、ハエなどにより媒介され感染)により感染します。 エンテロウイルス属の宿主はヒトのみですので、ヒト-ヒト感染を防ぎます。 濃厚接触を避け、一般的な予防法である手洗いうがいや排泄物の適正な処理を励行しましょう。 回復者については長期欠席の必要はありませんが、 症状消失後も2〜4週間にわたり便中へウイルスの排泄が続きますので長期間糞口感染の予防に努めることが大切です。
【獲得免疫】
 学童以上の年齢層の大半は既に感染(不顕性感染も含む)を受けている場合が多いので、成人での発症はあまり多くありません。
【消毒】
 エンテロウイルスはエンベロープを有しないウイルスであるため、一般的には強い消毒抵抗性を示します。 アルコールでの消毒の場合には長時間を要します。 また、熱水(98℃15〜20分)で消毒が可能です。

参考文献

1)国立感染症研究所感染症情報センター: 感染症発生動向調査週報 感染症の話「手足口病」: 2001年第27週(7月2日〜7月8日).
2)国立感染症研究所 学友会:感染症の事典:2004.
3)吉開泰信編集:ウイルス・細菌と感染症がわかる:2004.
4)古泉快夫、芝田充男、林桂堂:ウイルス学サマリー:2003.
4)吉田製薬文献調査チーム:消毒薬テキスト第3版:2008.