細菌性髄膜炎

山口県感染症情報センター / 2011.4作成
2012.6更新

細菌性髄膜炎とは

 インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、リステリアなど の細菌感染による髄膜炎です。 抗菌薬が発達した現代でも発症すれば致死率が高く、また救命できても重篤な後遺症を残すことがあります。
 生後2ヶ月ころまでは母体から移行した抗体があるため発症率は低く、3ヶ月から3歳まで(特に0歳)に多発します。  潜伏期間は原因菌の種類により異なりますが、およそ2日以上です。  

山口県の発生動向について

 2001年から2012年(第21週まで)の累積報告数は、山口県は毎年1桁の報告数で推移しています。  

症状

 多くは発熱、頭痛、嘔吐などを示し、進行すると意識障害、痙攣などがみられます。 髄膜刺激症状としては、項部硬直、Kernig(ケルニッヒ)徴候などがあります。 乳幼児など年齢が低い場合は、易刺激性、不機嫌が目立ち、特異的な症状を示さないことも多くみられます。

治療

 原因病原体が肺炎球菌やインフルエンザ菌の場合は、 薬剤耐性が問題となっていますが、 一般的には ペニシリン系やセフェム系、カルバペネム系などの抗生物質が使用されます。

予防

 感染源は患者の髄液や鼻咽頭からの分泌液で、 飛沫感染(咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染)や直接感染で感染します。
【ワクチン】
 生後3ヶ月以降の乳幼児ではインフルエンザ菌b型や肺炎球菌が原因菌として多くみられますが、 インフルエンザ菌b型に対してはヒブワクチン、肺炎球菌に対しては肺炎球菌ワクチンがあります。 肺炎球菌ワクチンは23価と7価がありますが、2歳未満の場合は7価ワクチンを接種します。 ワクチン同時接種後の死亡報告が数例あったため、平成23年3月4日から平成23年3月31日の間は一時的に接種の見合わせをしていましたが、 安全性上の懸念はないとの評価がされ、平成23年4月1日から再開しています (小児用肺炎球菌ワクチン及びヒブワクチン接種の再開についてQ&A)。 細菌性髄膜炎は0歳で好発していますので、ワクチンの早期接種(生後2ヶ月から6ヶ月)が推奨されています。
 ◆ワクチン接種緊急促進事業について

【ハイリスク患者】
手術や基礎疾患などで物理的に中枢神経へ細菌が侵入しやすい人や免疫機能が低下している人は リスクが高くなります。

参考文献

1)国立感染症研究所感染症情報センター 多田有希・岡部信彦: 感染症発生動向調査週報 感染症の話「細菌性髄膜炎」: 2003年第38週号(2003年9月15〜21日).
2)財団法人 日本公衆衛生協会:感染症予防必携 第2版:2005.
3)国立感染症研究所 学友会:感染症の事典:2004.