水痘

山口県感染症情報センター / 2011.3作成
2012.10更新

水痘とは

 水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)による感染症で、 発疹を伴って突然発病します〔発疹出現前に発熱と全身倦怠感を伴うことがあります(特に成人の場合)〕。
 潜伏期は2週間程度(10〜21日)です。
 特に罹患率が高いのは、2〜8歳です。

山口県の発生動向について<2012年第38週現在>

 2001年から2011年における各年の定点当たりの累積報告数は下記のとおりです。


 下記のグラフは2006年から2012年(第38週)までの各週の定点当たりの報告数を示したものです。 8月頃から10月頃までの期間は報告数が少なくなり、その後徐々に増加する傾向がみられ、 罹患者は冬季から夏前までに多い動向です。

症状

 症状は主に発疹と発熱です。 発疹は全身性で掻痒を伴い、紅斑、丘疹を経て短時間で水疱となり、痂皮化します。通常は最初に頭皮、次いで体幹、四肢に出現しますが、 体幹にもっとも多いといわれています。数日にわたり新しい発疹が次々と出現しますので、 急性期には紅斑、丘疹、水疱、痂皮のそれぞれの段階の発疹が混在するのが 特徴です。すべての発疹が痂皮化するのにおよそ6日程度かかります。  一般的に健康児の罹患は軽症で予後も良好です。

治療

 通常は外用剤が処方されます。また、二次感染をおこした場合には抗生物質の外用、全身投与が行われます。 重症水痘などには抗ウイルス剤が投与されることもあります。

予防

 水疱内容物・気道分泌物にウイルスが存在し、 直接接触、飛沫感染(咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染)あるいは空気感染により感染します。 発疹出現の1〜2日前から出現後4〜5日程度、すべての発疹が痂皮化するまで感染力があります。 伝染性が強いため、通常はすべての発疹が痂皮化するまでは学校を休ませることになります。 水痘・帯状疱疹ウイルスの宿主はヒトのみですので、ヒトとの接触を避けたり一般的な予防法である手洗いうがいを励行し、 ヒト−ヒト感染を防ぎましょう。
【ワクチン】
 ワクチンがありますが、任意予防接種となります。 水痘患者に接触した場合でも、3日以内にワクチンを接種すれば発病を予防(又は症状の軽減化)できるとされ、院内感染の防止にも有効です。
【獲得免疫】
 初感染(無症状の場合もある)後、神経細胞に潜伏します(持続感染)。潜伏感染のまま終世無症状のヒトもいますが、 年月を経て再活性化して帯状疱疹を生じる(知覚神経に沿った皮膚に水疱を生じ神経痛や知覚異常を生じる)場合もあります。
【ハイリスク患者】
 妊娠初期の罹患では流産したり、胎児に先天性水痘症候群(先天性奇形)を生じるおそれがあります。 妊娠後期の罹患では新生児の先天性水痘や、乳幼児期の帯状疱疹を生じるおそれがあります。
 成人になって罹患すると症状がより重篤化しやすく合併症のリスクも高くなります。
 免疫機能が低下している患者は生命の危険を伴うことがあります。
【消毒】
 水痘帯状疱疹ウイルスはエンベロープを有するウイルスであるため 消毒薬抵抗性は比較的弱く、アルコール、次亜塩素酸ナトリウムによる不活性化が期待できます。

学校保健安全法での取り扱い

 水痘は、学校において予防すべき第二種の感染症に指定されており、登校基準としては、 すべての発しんが痂皮化するまで、出席停止とされています。(ただし、 病状により医師において感染のおそれがないと認めたときを除く。)

参考文献

1)国立感染症研究所感染症情報センター: 感染症発生動向調査週報 感染症の話「水痘」: 2001年第24週(6月11日〜6月17日).
2)財団法人 日本公衆衛生協会:感染症予防必携 第2版:2005.
3)国立感染症研究所 学友会:感染症の事典:2004.
4)財団法人 予防接種リサーチセンター:平成22年度(2010)予防接種必携.
5)古泉快夫、芝田充男、林桂堂:ウイルス学サマリー:2003.
6)吉田製薬文献調査チーム:消毒薬テキスト第3版:2008.