百日咳について

山口県健康増進課母子保健・感染症班
2006.5
はじめに

 百日咳は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする感染症です。
 乳児期早期から罹患し、1歳以下の乳児、ことに生後6 カ月以下では死に至る危険性も高くなります。百日咳ワクチンを含むDPT 三種混合ワクチン接種(ジフテリア・百日咳・破傷風)が実施されており、その普及とともに百日咳の発生数は激減しています。しかし、年長児・成人の百日咳は特有な咳がなく、気づかれないまま、ワクチン未接種の新生児・乳児に対する感染源となることがあるので注意が必要です。

 《原因病原体》
 百日咳菌、パラ百日咳菌
 《感染経路》
 百日咳患者からの飛沫感染、接触感染
 《潜伏期》
 百日咳の潜伏期は、通常7〜10日(最長21日)です。症状の経過は、三期(カタル期、痙咳期、回復期)に分けることができます。

症状

《乳幼児》

 (1)カタル期(2週程度持続):
 通常7〜10日間程度の潜伏期を経て、軽度の上気道症状(感冒様症状)を呈します。
 (2)痙咳期(2, 3週間持続):
 次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)が増します。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます(笛声:whoop)。この様な咳嗽発作がくり返すことをレプリーゼと呼びます。しばしば嘔吐を伴います。発熱はないか、あっても微熱程度です。
 (3)回復期(2, 3週〜):
 激しい発作は次第に減衰し、2〜3週間で認められなくなりますが、その後も時折忘れた頃に発作性の咳が出ます。全経過約2〜3カ月で回復します。

《年長児、成人》

 咳き込みによる目覚め、発作性の咳きこみ、咳が止まらず息苦しい、咳きこみの後の嘔吐など咳が長期にわたって持続しますが、典型的な発作性の咳嗽を示すことはなく、やがて回復に向かいます。 軽症で感冒との区別がつきにくく、診断が見のがされることもあります。


治療

 感染したと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。百日咳菌に対する治療として、抗菌薬が用いられています。


予防

百日咳は、周囲の人に感染しやすく、患者の家族に、百日咳に免疫がない人がいた場合、高い確率で感染します。周囲の人に感染する可能性がある時期は、感染して7日たった時点から痙咳期(咳発作期)に入って3週間です。その間のカタル期に咳によって生じた飛沫を吸い込んで、患者の周囲の人が感染する場合が多く見られます。しかし、カタル期に百日咳と診断することは難しいので、周囲の人たちへの感染の広がってしまうこともあります。

 百日咳には予防接種(ワクチン)がありますので、未接種の方はかかりつけの医師に相談しましょう。


学校保健安全法における取扱い

 百日咳は、学校における予防すべき第二種の感染症に規定されており、登校基準としては、 特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗生物質による治療が終了するまで、出席停止とされています。 (ただし、病状により医師において感染のおそれがないと認めたときを除く。)