咽頭結膜熱

山口県感染症情報センター / 2011.3作成
2012.10更新

咽頭結膜熱とは

 アデノウイルス(血清型としては主に3型、他に2,4,7,11型、その他の型)による急性のウイルス感染症で、 発熱、咽頭炎、結膜炎がみられます。 プールでの感染も多く見られることから 日本ではプール熱とも呼ばれます。
 潜伏期は5〜7日です。

山口県の発生動向について

 2001年から2011年における各年の定点あたりの累積報告数です。 過去10年間では2004年が最も多く、その後2008年まで5年間にわたり多い状態が続きましたが、 2009年、2010年は減少しました。2011年は再び増加しています。

症状

 3主症状は発熱、咽頭炎(咽頭発赤、咽頭痛)、結膜炎で、3〜5日程度続きます。 眼症状は一般的に片方から始まりその後他方にも出現しますが、永続的な障害を残すことはありません。  

治療

 特異的治療法はなく、対症療法が中心です。 結膜炎(眼症状)が強い場合には、眼科的治療が必要になることもあります。

予防

 感染経路は主にプールを介した汚染水の結膜への直接侵入、飛沫感染(咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染)や 接触感染(汚染された手指や物品を介した感染)です。 また、アデノウイルスは糞便にも排出されるため糞口感染(糞便中に排泄されたウイルスが、手、食物、水などにより媒介され感染) もします。 主に潜伏期後半から症状が消失するまで感染力があります。濃厚接触を避け、一般的な予防法である手洗いうがいを励行しましょう。
 プールを介しての流行に対しては、 水泳前後のシャワーなどを励行しタオル等を共用しないことが大切です。 また、 ときにはプールの一時的閉鎖措置が必要です。
【獲得免疫】
 感染後抗体が産生されますが免疫の持続期間は長くないため、再感染がおこりえます。
【消毒】
 アデノウイルスはエンベロープを有しないウイルスのため、 エンベロープを有するウイルスと比較して 消毒抵抗性は強いといわれます。アデノウイルスの消毒には、塩素消毒が有用です。 塩素系消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性や粘膜刺激性があるため手指や金属製器具の消毒には適していませんが、 タオルなどの非金属製器具や環境には有用です。また、温度に弱く、56℃30分で不活化されます。

学校保健安全法での取り扱い

 咽頭結膜熱は、学校において予防すべき第二種の感染症に指定されており、登校基準としては、 主要症状が消退した後2日を経過するまで、出席停止とされています。(ただし、 病状により医師において感染のおそれがないと認めたときを除く。)

参考文献

1)国立感染症研究所感染症情報センター 谷口清州: 感染症発生動向調査週報 感染症の話「咽頭結膜熱」: 2003年第14週号(2003年3月31日〜4月6日).
2)国立感染症研究所 学友会:感染症の事典:2004.
3)国立感染症研究所感染症情報センター 藤本嗣人 安井良則 森兼啓太:アデノウイルス感染対策:2008年4月号.
4)古泉快夫、芝田充男、林桂堂:ウイルス学サマリー:2003.