伝染性紅斑

山口県感染症情報センター 2011.03作成
2012.06更新

伝染性紅斑とは

 エリスロウイルス(ヒトパルボウイルス)B19型の感染による紅斑を主症状とする 流行性発疹性疾患です。  典型例では両頬がリンゴのように赤くなることから「リンゴ病」と呼ばれることもあります。
 潜伏期は10〜20日です。
 幼少児に好発します。

山口県の発生動向について

定点把握疾患報告数グラフ(山口県)の伝染性紅斑の項目をご参照下さい。

症状

 両頬に境界鮮明な紅斑が出現し、つづいて腕、脚部にも両側性にレース様の紅斑がみられます。 紅斑はおよそ1週間程度で消失します。

治療

 ほとんどは合併症をおこすことなく自然に回復します。

予防

 ヒトパルボウイルスは主に鼻汁中や咽頭に存在し、飛沫感染(咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染)、接触感染(汚染された手指や物品を介した感染)、 により感染します。また、感染力がある時期の血液からも感染します。 紅斑出現時期にはすでに感染力はなく、 頬に紅斑が出現する7〜10日くらい前(微熱や感冒様症状などの前駆症状が見られることが多い時期)に もっとも感染力が強くなるといわれています。 濃厚接触を避けたり、一般的な予防法である手洗いうがいを励行しましょう。
【獲得免疫】
一度感染すると終生免疫を得られます。
【ハイリスク患者】
 妊婦が感染すると、流産を起こすことがあります。流行時期に感冒様症状の者に近づくことを避けましょう。

参考文献

1)国立感染症研究所: 「伝染性紅斑」とは
2)財団法人 日本公衆衛生協会:感染症予防必携 第2版:2005.
3)国立感染症研究所 学友会:感染症の事典:2004.