百日咳は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする感染症です。
乳児期早期から罹患し、1歳以下の乳児、ことに生後6 カ月以下では死に至る危険性も高くなります。百日咳ワクチンを含むDPT 三種混合ワクチン接種(ジフテリア・百日咳・破傷風)が実施されており、その普及とともに百日咳の発生数は激減しています。しかし、年長児・成人の百日咳は特有な咳がなく、気づかれないまま、ワクチン未接種の新生児・乳児に対する感染源となることがあるので注意が必要です。
感染したと思ったら、早めに医療機関を受診しましょう。百日咳菌に対する治療として、抗菌薬が用いられています。
百日咳は、周囲の人に感染しやすく、患者の家族に、百日咳に免疫がない人がいた場合、高い確率で感染します。周囲の人に感染する可能性がある時期は、感染して7日たった時点から痙咳期(咳発作期)に入って3週間です。その間のカタル期に咳によって生じた飛沫を吸い込んで、患者の周囲の人が感染する場合が多く見られます。しかし、カタル期に百日咳と診断することは難しいので、周囲の人たちへの感染の広がってしまうこともあります。
百日咳には予防接種(ワクチン)がありますので、未接種の方はかかりつけの医師に相談しましょう。
百日咳は、学校における予防すべき第二種の感染症に規定されており、登校基準としては、 特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗生物質による治療が終了するまで、出席停止とされています。 (ただし、病状により医師において感染のおそれがないと認めたときを除く。)