インフルエンザはインフルエンザウイルスによって起こる感染症で、例年11月下旬から12月上旬頃に始まり、1〜3月頃に患者数が増加、4〜5月にかけて減少していくというパターンを示します。
オルソミクソウイルス科に属するRNAウイルスで、内部蛋白質の抗原性の違いからA、B、Cの3つの型に分類されます。
A型、B型の粒子構造は類似しており、表面にヘマグルチニン(赤血球凝集素:HA)とノイラミニターゼ(NA)というスパイク状の糖蛋白を持ちます。
A型はこの糖蛋白の抗原性より、H1〜H16とN1〜N9の組み合わせによる亜型に分類されます。
主にヒトに流行を起こすのはAソ連型(H1N1)、A香港型(H3N2)、B型の3種類です。
咳やクシャミで飛沫した鼻や喉の分泌物を直接吸入して感染する飛沫感染。
このほか、鼻咽頭分泌物によって汚染された物品を介しての間接的な感染も起こり得ます。乾燥した分泌物などに含まれるウイルスは数時間感染力を保つと言われます。
高熱(38℃以上をこえる発熱)と全身倦怠感、筋肉痛などの全身症状を伴って発症し、これらの症状と同時かあるいは若干遅れて、咽頭痛や咳などの呼吸器症状が現れます。
発熱だけのものや、微熱しか現れない軽症例も報告されていますが、一方で肺炎や脳症を起こして重症化する例もあります。
インフルエンザは、学校における予防すべき第二種の感染症に規定されており(鳥インフルエンザ(H5N1)は第一種の感染症のため除く。)、 登校基準としては、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで、出席停止とされています。 (ただし、病状により医師において感染のおそれがないと認めたときを除く。)
小児・未成年者が、インフルエンザにかかった場合には、タミフルの服用の有無にかかわらず、異常行動発現のおそれがあります。 自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者の方は小児・未成年者が一人にならないように配慮して下さい。 |