[18.考察及びまとめ]
1) 真菌が疑われた異物の検査で検出された真菌は全て環境中に広く分布しているもので、汚染原因あるいは経路の推定はできませんでした。
2)食品の検査依頼はジュース・清涼飲料が最多で、喫食も高率でした。これには不透明な容器に入っていることが多く、食品自体混濁しているものが多い等の理由が考えられました。
3)真菌は好気的でない環境では、胞子や分生子を形成せず、直接鏡検のみでは属の同定は不可能でした。分離培養後の詳細な形態学的検査の必要性が示唆されました。
4)異物が真菌であるかどうか不明な場合や、菌体が崩れやすい菌については、走査電顕による観察がきわめて有効でした。
5)異物18件中2件は真菌ではなかったことから、異物を肉眼所見のみで真菌と判断せず、真菌検査を行うことが重要と考えられました。
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