五類感染症定点把握疾患の細菌について

山口県感染症情報センター / 2011.3作成
2012.6更新

細菌の分類

増殖 形態 グラム染色 菌種 和名 関連疾患名
人工培地で増殖可能。 球菌 陽性 Staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症
Streptococcus pyogenes 化膿レンサ球菌 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
Streptococcus pneumoniae 肺炎球菌 ペニシリン耐性肺炎球菌感染症
細菌性髄膜炎
陰性 Neisseria gonorrhoeae 淋菌 淋菌感染症
桿菌 陽性 Listeria monocytogenes リステリア 細菌性髄膜炎
陰性 Haemophilus influenzae インフルエンザ菌 細菌性髄膜炎
Pseudomonas aeruginosa 緑膿菌 薬剤耐性緑膿菌感染症
Acinetobacter baumannii - 薬剤耐性アシネトバクター感染症
-
※細胞壁なし
- Mycoplasma pneumoniae 肺炎マイコプラズマ マイコプラズマ肺炎
偏性細胞内寄生性
(人工培地では増殖ができず、ウイルスと同様増殖に培養細胞が必要)
- - Chlamydia trachomatis クラミジア・トラコマチス 性器クラミジア感染症
クラミジア肺炎
Chlamydophila pneumoniae 肺炎クラミジア クラミジア肺炎

細菌の基本構造

 細菌は核酸としてDNAとRNAの両方をもち、 そのほとんどが適切な人工培地上で増殖が可能です。  細菌に共通した基本構造は、ゲノムDNAとリボソームが存在する細胞質を脂質二重膜層からなる細胞質膜が包み、 さらに外側には細菌特有の細胞壁があります(マイコプラズマには細胞壁がありません)。

グラム陽性菌とグラム陰性菌について

 グラム陽性菌:厚い細胞壁をもつため、グラム染色により青紫色に染まります。  グラム陰性菌:薄い細胞壁のため(細胞壁をもたない菌もある)、グラム染色により赤色に染まります。

参考文献

1)吉開 泰信編集:ウイルス・細菌と感染症がわかる:2004年.