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真菌汚染が疑われる食品異物の検査依頼・相談事例

18.考察及びまとめ

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1) 真菌が疑われた異物の検査で検出された真菌は 全て環境中に広く分布しているもので、 汚染原因あるいは経路の推定はできませんでした。

2)食品の検査依頼はジュース・清涼飲料が最多で、喫食も高率でした。 これには不透明な容器に入っていることが多く、 食品自体混濁しているものが多い等の理由が考えられました。

3)真菌は好気的でない環境では、胞子や分生子を形成せず、 直接鏡検のみでは属の同定は不可能でした。 分離培養後の詳細な形態学的検査の必要性が示唆されました。

4)異物が真菌であるかどうか不明な場合や、菌体が崩れやすい菌については、 走査電顕による観察がきわめて有効でした。

5)異物18件中2件は真菌ではなかったことから、 異物を肉眼所見のみで真菌と判断せず、真菌検査を行うことが重要と考えられました。

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1.はじめに

2.真菌異物検査

3.糸状菌の同定

4.真菌培養検査

5.月別検査依頼件数(H11.1〜H14.12)

6.食品の種類、検査依頼理由および喫食の有無(H11.1〜H14.12)

7.食品からの検出菌種(H11.1〜H14.12)

8.真菌(−)事例1:魚肉ソーセージ

9.真菌(−)事例1:魚肉ソーセージ

10.真菌(−)事例2:清涼飲料水(カップ式自動販売機)

11.真菌(−)事例2:清涼飲料水(カップ式自動販売機)

12.直接鏡検1:胞子を形成している検体

13.直接鏡検2:胞子を形成していない検体

14.直接鏡検3:胞子を形成しているが・・・

15.Penicillium属菌のコロニー (27℃ 14日間培養)

16.Cladsporium属菌のコロニー(27℃ 14日間培養)

17.Aspergillus属菌のコロニー (27℃ 14日間培養)

18.考察及びまとめ