[研究目的]
平成11年度に防府市向島の三田尻湾域に造成された人工干潟についてモニタリング調査を実施し、調査前及び他の天然干潟との比較検討を行うとともに、干潟造成が水環境に与える影響について調査研究する。
[研究内容]
(1)干潟造成が水環境に与える影響
(2)人工干潟における生態系の生成過程及びその安定性
(3)干潟造成に伴う周辺天然干潟への影響人工干潟による水質浄化効果
[調査結果]
(1)造成干潟の形状は、造成当初は地盤の沈下が進んだものの、造成後3年を経過して、安定してきたと考えられる。
(2)マクロベントスによる有機物浄化能の試算では、浚渫土が購入砂よりも1.8倍高く、三田尻湾内の天然干潟の中でも高い値であった。また、造成干潟におけるCOD浄化量を試算すると、年間約6.5tのCODを浄化している結果となった。
(3) 造成干潟に近い天然の調査地点では、底質・ベントスのモニタリング調査結果より、造成干潟からの砂の流出の影響を強く受けているものと考えられる。ベントスは、造成直後はほとんど観察されなかったが、1ヶ月後には造成前の平均を上回る量が観察された。また、多様度指数等の結果より、湾内の天然干潟と比較して、同程度か、それ以上になっている結果となった。
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