情報発信・公開を効果的に行うための方策の検討(3)
− 情報システムに関する意識調査 −?
               
               
山口県環境保健研究センター
吹屋貞子・長田健太郎・溝田哲・珠山光顕
               
               
Discussions on an Effective Information Publishing (V)
?The Opinion Poll on a Computer Network Information System?
               
               
Sadako FUKIYA, Kentaro OSADA, Satoshi MIZOTA,
Mitsuaki TAMAYAMA
 
Yamaguchi Prefectural Research Institute of Public Health
 
 
はじめに
 職場の情報化がすすみ,近く全県庁的なLANが運用されるようになる.当所では,研究所という職場の特殊性から,導入時に他とは違った問題点があることが予想される.そこで,情報システムについて,その必要性と障害を,職員がどう考えているかを調査した.
 
方法
 アンケート用紙(表1)を当所職員に配付し,回答を記入後回収した.
 
結果と考察
 回収率は約81%(43/53)であった.
1 情報システムに必要な機能について
 表1問5で,情報システムの機能として18の項目をあげ,それぞれ必要と思う度合いを1〜5(1:不必要,5:ぜひ必要)の5段階で記入し,意味がわからない場合は0としてもらった.全部で43名の回答があった.(表2)に,全体の平均値の他,年齢が50歳以上(23名)と49歳以下(20名),パソコンやインターネットに対する興味が高い者(とても興味がある,かなり興味があるとした17名)と低い者(全く興味がない,ほとんど興味がない,少しは興味があるとした26名),所属が総務課(6名)とそれ以外(37名)にグループわけをし,それぞれの平均値を比較した.0と無回答は除いて計算した.年齢とパソコン等への興味の高さによるグループわけでは,二つのグループに差はなく,全体の傾向としては「3.インターネットの利用」や10,11,12,16のデータベース関係の必要度が高かった.所属部課別でみると差のある項目があり,「9.施設設備の使用予約」は総務課で高く,「16.外部データベースの利用」や「3.インターネットの利用」で総務課以外が高かった.多くの職員は,インターネットや各種データベースを必要と考える一方,「6.電子会議」,「8.行き先表示板」,「17.文書決裁システム」,「18.届け出等庶務システム」のような,情報システムがすでに構築されている組織で普通に活用されているツール・ワークフロー関係はあまり必要と考えていなかった.この傾向は,年齢やコンピュータ等に関する興味の度合いが違う者でもかわらなかった.これは,事務中心の職場と比較して研究所としての職場の特性があらわれたものと思われる.そのことは,総務課で「9.施設設備の予約」の値が高く,1,5,6,8も高い傾向がみられたことからもうかがえる.
 
2 情報システムを活用する上での障害について
 表1問6で,情報システムを業務に活用する上での障害・気がかりな点に順位をつけてもらった.有効な回答は32名であった.順位1を6点,2を5点...6を1点として全員の点数を合計すると「5.運営・管理等に手がかかる」が最も高い値であり,最も順位1にあげられたのが多かったのは「1.パソコンが少ないので使いづらい」であった(表3)運営管理に手がかかることは多くの者が問題としていたが,パソコンが少ないという点については重要な問題とする者がある一方,あまり重要な問題と考えていない者もあり,認識にばらつきがあった.
 
まとめ
 所内で,今後導入される情報システムに必要な機能と障害に関するアンケートを行った.機能に関しては,インターネットやデータベースの利用が必要とされ,職場(研究所)の特性があらわれた.活用する上での障害は,「運営・管理に手がかかる」という意見が多かった.
(表1)  (表2)  (表3)