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調査研究(水質環境)
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GC/MSデータベースを応用した農薬類の環境中スクリーニング手法の検討
(平成21年度〜23年度)
近年、身近な河川についての発泡、白濁等の現象について、農薬等による環境汚染が原因ではないかと危惧する苦情が増加しており、県民の不安解消のために農薬等による汚染の有無について検証する必要がある。
平成19年度に購入したGC/MSには、これまでの機種にない機能として、数百種の農薬類が一度に同定できるデータベースが付属しており、この機能を応用することにより、環境中の農薬類の濃度レベルを把握し、現状では未知の農薬汚染の有無を明らかにする。
干潟における底生生物の生息環境に関する簡易調査・評価手法の検討
(平成19〜21年度)
「やまぐちの豊かな流域づくり構想(椹野川モデル)」に基づく各種取組みを上流、中流、下流域で実施しているところであり、下流域では、山口湾の干潟再生に向けた干潟耕耘、干潟再生実証試験を行い、モニタリング調査を実施している。
干潟における底生生物の生息環境に関する調査手法については、現在、簡易的な手法はなく、通常、干潟の底生生物、底質性状等のモニタリングを行い、その結果から評価するため、費用や時間がかかるのが実状である。
そこで、これまで当県で実施してきた干潟調査結果等を基に、簡易な調査手法や短期間で評価できる手法(指標)について検討・開発し、事業の効率化を図ることとする。
可視光応答型光触媒を利用したクロロフェノール類の分解反応に関する研究
(平成21年度〜23年度)
クロロフェノール類は、殺菌剤、染料中間体、農薬原料などとして広く利用されているが、発ガン性が指摘されており、また自然界では分解されにくいため、重要な環境汚染物質の一つとされている。そのため、クロロフェノール類の分解処理技術の開発が望まれているが、効果的な手法の開発には至っていない。
一方、酸化チタン光触媒を利用した有機物の分解処理は、環境浄化技術として有望であり、広く利用されているが、紫外光にしか応答しないという欠点がある。ところが最近の研究で、この欠点を克服し可視光に応答する光触媒が開発され、環境汚染物質への応用も行われている。しかしながら、クロロフェノール類の分解反応への適用については、ほとんど報告されていない。
そこで可視光応答型光触媒を利用したクロロフェノール類の分解反応を検討し、その反応機構の解明とともに最適な分解条件を確立する。なお、クロロフェノール類は、ダイオキシン類のモデル物質と考えられており、ダイオキシン類とよく似た分解挙動を示すことが知られている。そのためダイオキシン類の分解処理技術開発のための基礎データとしても活用を図る。
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