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■ 二類感染症
急性灰白髄炎(ポリオ)
コレラ
細菌性赤痢
ジフテリア
腸チフス・パラチフス
急性灰白髄炎(ポリオ)
はじめに
重症例では下肢などの麻痺が生じる中枢神経系感染症である。わが国では,生ワクチンの投与によ り野生株による発生はみられなくなった。
感染経路
主に糞便―経口感染であるが,時に飛沫感染もある。
患者への対応
状況に応じ入院。第二種感染症指定医療機関(各二次医療圏に1か所)への入院を勧告する。
患者環境および観血的処置時の対策
糞便,咽頭分泌液,血液などの曝露防止に注意を払う。 そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。 再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないような防御を行って臨む。
医療従事者への注意
ポリオワクチンの予防接種を受けていれば(抗体を保有していれば),急性灰白髄炎に感染する可能性はない。
汚染物の消毒・滅菌
(1)対象
主な消毒対象は,患者の糞便で汚染された可能性のある箇所(トイレ,水道ノブ,リネンなど)で ある。また,患者の喉頭分泌液で汚染された可能性のある箇所(食器など)も消毒する。
(2)消毒薬
次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン
®
, ピューラックス
®
, テキサント
®
, ハイポライト
®
など), グルタラール(ステリハイド
®
, グルトハイド
®
, サイデックス
®
など), アルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)およびポビドンヨード(イソジン
®
, ポピヨドン
®
, ネオヨジン
®
など)などが有効である。 糞便,環境およびリネンなどの消毒には,次亜塩素酸ナトリウムを用いる。 また,洋式トイレの便座や水道ノブなどの消毒には,消毒用エタノールが有用である。 なお,手指消毒には,消毒用エタノール,速乾性手指消毒薬(ウエルアップ
®
, ヒビスコール
®
, ヒビソフト
®
, イソジンパーム
®
など), および洗浄剤含有ポビドンヨード(イソジン
®
スクラブ, ネオヨジン
®
スクラグ, 手術用ポピヨドン
®
など)が適している。
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コレラ
はじめに
米のとぎ汁様の下痢,嘔吐,脱水などを主症状とする消化器感染症である。輸入感染症であるが, 輸入した魚介類(特に冷凍品)などの摂取によると推定された国内感染例もある。古典型(アジア型), エルトール型,O139 があり,現在流行しているのはエルトール型コレラである。
感染経路
主に糞便―経口感染であるが,時に吐物も感染源となる。
患者への対応
状況に応じ入院。第二種感染症指定医療機関(各二次医療圏に1か所)への入院を勧告する。
患者環境および観血的処置時の対策
糞便,吐物などの曝露防止に注意を払う。 そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。 再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないような防御を行って臨む。
医療従事者への注意
糞便―経口ルートの遮断の観点から,手洗いや手指消毒が重要である。
汚染物の消毒・滅菌
(1)対象
主な消毒対象は,患者の糞便で汚染された可能性のある箇所(トイレ,水道ノブ,リネンなど)である。
(2)消毒薬
コレラ菌(
Vibrio cholerae
)に対しては,すべての消毒薬が有効である。 第四級アンモニウム塩(オスバン
®
, オロナイン-K
®
, ヂアミトール
®
, ハイアミン
®
など), 両性界面活性剤(テゴー51
®
, エルエイジー
®
など), 次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン
®
, ピューラックス
®
, テキサント
®
, ハイポライト
®
など) およびアルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)などを用いる。
また,80℃・10 分間の熱水も有効である(70℃・1分間や80℃・10 秒間などの熱水でも有効と推定されるが,安全を見込んで80℃・10 分間とする)。
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細菌性赤痢
はじめに
国内での発生,および輸入感染症としての発生がある消化器感染症である。重症例では,頻回の便 意とともに粘血便を排泄する。
感染経路
糞便―経口感染である。
患者への対応
状況に応じ入院。第二種感染症指定医療機関(各二次医療圏に1か所)への入院を勧告する。
患者環境および観血的処置時の対策
糞便の曝露防止に注意を払う。 そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。 再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないような防御を行って臨む。
医療従事者への注意
細菌性赤痢の伝播は,小菌量で成立する。したがって,厳重な消毒が必要である。また,糞便 ―経口ルートの遮断の観点から,手洗いや手指消毒が重要である。
汚染物の消毒・滅菌
(1)対象
主な消毒対象は,患者の糞便で汚染された可能性のある箇所(トイレ,水道ノブ,リネンなど)で ある。
(2)消毒薬
赤痢菌に対しては,すべての消毒薬が有効である。 第四級アンモニウム塩(オスバン
®
, オロナイン-K
®
, ヂアミトール
®
, ハイアミン
®
など), 両性界面活性剤(テゴー51
®
, エルエイジー
®
など), 次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン
®
, ピューラックス
®
, テキサント
®
, ハイポライト
®
など) およびアルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)などを用いる。
また,80℃・10 分間の熱水も有効である(70℃・1分間や80℃・10 秒間などの熱水でも有効と推定されるが,安全を見込んで80℃・10 分間とする)。
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ジフテリア
はじめに
ジフテリア菌(
Corynebacterium diphtheriae
)による急性感染症で,偽膜性炎症と毒素による中 毒症状を特徴とする。予防接種により患者発生数は激減し,昭和44 年以降では年間10 人未満となっ ている。
感染経路
ジフテリア患者の飛沫の吸入。皮膚ジフテリアは接触で伝播する。
患者への対応
状況に応じ入院。第二種感染症指定医療機関(各二次医療圏に1か所)への入院を勧告する。
患者環境および観血的処置時の対策
飛沫の吸入防止に注意を払う。 また,感染部位(咽頭,喉頭,鼻,皮膚など)の分泌液の曝露防止にも注意を払う。 そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。 スタッフは厳重な呼吸器防御を行う。 シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。 再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
医療従事者への注意
ジフテリアは主に飛沫で伝播する。したがって,ジフテリアの感染防止にはマスクの着用が重要である。
汚染物の消毒・滅菌
(1)対象
飛沫感染ではあるが,患者が使用した物品や病室の消毒も行う。また,患者の喀痰は焼却処分とする。
(2)消毒薬
ジフテリア菌に対しては,すべての消毒薬が有効である。 第四級アンモニウム塩(オスバン
®
, オロナイン-K
®
, ヂアミトール
®
, ハイアミン
®
など), 両性界面活性剤(テゴー51
®
, エルエイジー
®
など), 次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン
®
, ピューラックス
®
, テキサント
®
, ハイポライト
®
など) およびアルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)などを用いる。
また,80℃・10 分間の熱水も有効である(70℃・1分間や80℃・10 秒間などの熱水でも有効と推定されるが,安全を見込んで80℃・10 分間とする)。
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腸チフス・パラチフス
はじめに
高熱,バラ疹,下痢などを主症状とする感染症である。 重症例では,腸出血や腸穿孔も起きる。 腸チフスはチフス菌(
Salmonella typhi
)により,パラチフスはパラチフスA 菌(
Salmonella paratyphiA
)により生じる。
感染経路
糞便―経口感染が主であるが,尿や血液も感染源となりうる。
患者への対応
状況に応じ入院。第二種感染症指定医療機関(各二次医療圏に1か所)への入院を勧告する。
患者環境および観血的処置時の対策
糞便,血液,尿の曝露防止に注意を払う(健康保菌者はほとんどが胆嚢内保菌者である)。 そのためにはシングルユース(ディスポーザブル)のシーツ,覆布,滅菌ドレープ類,ガウンその他を利用する。
シングルユースの汚染物はプラスチック袋で二重に密閉し,外袋を消毒した後に運搬し,高温焼却する。 再使用器械・器材類は,密閉用容器(回収用コンテナなど)に密閉して,容器の外側を消毒した後に運搬し,適切に消毒または滅菌処理する。
針刺しや切創に注意し,血液飛沫を受けないような防御を行って臨む。
医療従事者への注意
糞便―経口ルートの遮断の観点から,手洗いや手指消毒が重要である。 なお,腸チフスの伝播は,おおよそ10
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個の菌量で成立する。 一方,細菌性赤痢ではおおよそ100 個である。 したがって,家族内や病院内での腸チフスの伝播は,細菌性赤痢に比べると生じにくい。
汚染物の消毒・滅菌
(1)対象
主な消毒対象は,糞便および尿で汚染された可能性のある箇所(トイレ,水道ノブ,リネンなど) である。
(2)消毒薬
チフス菌およびパラチフスA 菌に対しては,すべての消毒薬が有効である。 第四級アンモニウム塩(オスバン
®
, オロナイン-K
®
, ヂアミトール
®
, ハイアミン
®
など), 両性界面活性剤(テゴー51
®
, エルエイジー
®
など), 次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン
®
, ピューラックス
®
, テキサント
®
, ハイポライト
®
など) およびアルコール(消毒用エタノール,70v/v%イソプロパノール)などを用いる。
また,80℃・10 分間の熱水も有効である(70℃・1分間や80℃・10 秒間などの熱水でも有効と推定されるが,安全を見込んで80℃・10 分間とする)。
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